今回の記事では、新潟県長岡市にある山古志地域をベースに活動する山古志DAOの新たな取り組みについて取り上げます。
簡単に山古志DAOと「Nishikigoi NFT」について説明します。
山古志DAOとは、新潟県長岡市にある山古志地域(旧山古志村)の有志住民「山古志(やまこし)住民会議」が発行したNFT保有者が参加できるDAOです。
そのクリエイティブは錦鯉をモチーフにしているため、別名「Nishikigoi NFT」と呼ばれており、購入者は山古志村のデジタル住民としてその地域の復興に携わることができます。
これまでの山古志DAOの歩みを簡単に振り返ると以下の通りです。
- 2021年12月、「Nishikigoi NFT」第一弾を発行
- 2022年2月、「Nishikigoi NFT」第二弾を発行
- 2022年12月、各地のローカルDAOの立ち上げ支援およびローカルDAOリーグの運営を行っていく法人を設立
- 2023年8月、「Nishikigoi NFT」第三弾を発行
ローカルDAO総選挙
2024.4.30~2024.6.10にかけて2022年12月に立ち上がったローカルDAO構想への参加地域を決める選挙が行われました。
この選挙では、NFT保有者が、山古志村に続く新たな拠点として「長野県天龍峡」と「宮崎県椎葉村」を承認するかを投票にて決定しました。
その結果、両地域とも新たなローカルDAOの拠点として承認されました。
(可決条件は、「有効投票数が全体の10%を超える」「賛成が過半数を上回る」)
ローカル DAOとは?
ここでローカルDAOについて解説します。
- 「Nishikigoi NFT」を起点とするDAOの集合体
- NFTを通じて地域を結ぶネットワークを構築する
- ブロックチェーン技術とローカルを融合させて地域の新しい形を作っていく試み
12月にスタートした山古志DAOを起点として他の地域でも同じようなDAOを広げていく動きです。当初発行されたNishikigoi NFTはローカルDAOの集合体をサポートするDAOのメンバーNFTになり、その上で山古志NFTを新しく発行し既存のNishikigoi NFTホルダーへはフリーミントローカルDAOサポートのための法人を設立し、そこで仕事を受けつつ、DAO法設立までの間はNishikigoi NFTや山古志DAOの運営もその法人で請け負うという仕組みです。
長野県天龍村
ここからは今回の投票でローカルDAOに加わった地域について解説していきます。まずは長野県天龍村です。
天龍村は長野県の最南端に位置し、南アルプスと天竜川に挟まれた美しい谷地形が広がる景勝地です。
これまで観光地として発展してきましたが観光客数はピーク時の年間70万人から20万人に減少、高齢化もあり地域全体が疲弊してきています。
天龍村はローカルDAOに参加することで関係人口を増やし、短期滞在型観光地から第二の故郷となる長期滞在型観光地になることを目指しています。
(いくつか天龍村の名所をご紹介します。)
昭和初期の建物を改修したカフェ「テンリュウ堂」
一級河川天竜川
宮崎県椎葉村
宮崎県椎葉村は宮崎県の中心部から車で2時間、九州中央の山地にあり、日本三大秘境とも呼ばれています。
村の96%が森林で人口は約2,300人です。農林業を主な産業としてお米の生産も行われています。
椎葉村では「椎葉平家まつり」というお祭りが行われています。平家の姫と源氏の大将との悲恋物語にちなんだお祭りなのでその歴史は「壇ノ浦の戦い」まで遡ります。(平家側の一部がたどりついた場所が今の椎葉村だったと言われています。)
お祭りで演奏される「椎葉神楽」は国の指定文化財です。
椎葉村では人口減少によって伝統芸能の伝承ができなくなるのみならず、このままでは村の維持すらできなくなる恐れがあります。
NFTを通したローカルDAO化により関係人口を増やし、人口減少に抗っていこうとするのが椎葉村です。
今後の流れ
椎葉村、天龍峡の二つの地域では、独自のデジタル住民票NFTの発行を伴うローカルDAOの立ち上げが2024年中に予定されています。
今後、それぞれの地域より様々な発信がなされていくと思われますのでチェックしていきましょう。