一般社団法人SOMAが、人と馬と自然とが共生する自律分散型コミュニティ「驫(ノーマ)の谷 / Noma Valley」の会員証となるNFTを発行します。2023年9月29日(金)から公式ウェブサイト上で発売を開始しました。値段は15,000円~248,000円。
NFTの種別によりもらえる特典が異なっています。(下表の通り)
出典:https://nomavalley.jp/
この記事では自律分散型コミュニティ「驫(ノーマ)の谷 / Noma Valley」について解説します。
驫(ノーマ)の谷(NOMA VALLEY)とは
Noma Valleyは、福島県沿岸エリア(浪江町、双葉町、大熊町)を拠点とする地域コミュニティです。当該エリアは東日本大震災によって甚大な被害を受けました。原発事故による避難指示は順次解除されていますがいまだに約300㎡に及ぶ帰宅困難区域が残されています。
Noma Valleyは、コミュニティの活動によって交流人口・関係人口を拡大し地域復興に寄与することを目指しています。
コミュニティのビジョン・目的
Noma Valleyは「千年続いてきた相馬を継承し、千年先につなぐ」をビジョンとして掲げています。
福島沿岸エリアは、江戸時代相馬藩の領地でした。Noma Valleyの立ち上げに際して相馬家第34代当主、相馬行胤氏が旧領地内に戻りコミュニティの象徴として活動を行っていく予定です。長く避難指示下にあった福島沿岸エリアの復興に寄与すること、住民主体の防災体制づくりをおこなうこと、活動を通じて得た知見・経験を横展開することを目的としています。
コミュニティの作り方
Noma Valleyは、コミュニティの会員証としてNFTを活用します。NFTの売上で調達した資金を使って必要な施策を実行し、活動を進めていく予定です。コミュニケーションはNFT保有者限定のオンラインコミュニティ内で行われ、意思決定はオンラインの投票を受けて、オフラインの場で決定されます。第一段階として交流施設を建設し、浪江町の交流人口・観光人口の創出にもつなげていきます。
■施設内での提供サービス
・馬トレッキング、馬車観光、馬による情操教育、ホースセラピー、馬耕・馬搬体験など(※)
・コミュニティ・スペース/ ワーケーション・スペース、カフェ/ 飲食店など
(※)馬を大事にしている理由は後述します。
NOMA VALLEYのアイデンティティ
出典:https://nomavalley.jp/
驫(ノーマ)という文字は馬が3つ重なっています。NOMA VALLEYのベースになっている旧相馬藩は文字に「馬」という文字が入っているとおり馬文化が根付く土地です。今も「相馬野馬追」という騎馬武者が甲冑つけて練り歩くお祭りが行われています。国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
シンボルマークには以下の意味が込められています。
「シンボルマーク「驫眼紋(ひょうがんもん)」は、人と馬(自然)、二つの視野を合わせた350°見渡せる眼で1000年を見据える「驫の眼」を意味します。同時に、森羅万象を「円」と「線」だけで描く紋の概念と手法で、相馬1000年(九曜紋)の遺伝子を継承しています」
NOMA VALLEYの目指す姿
NOMA VALLEYではコミュニティとして以下のような施策を行っていく予定です。
1.コミュニティスクール機能
2.フォルケホイスコーレ的な民主主義的思考に基づく学習拠点
<内容例>
- 町の歴史・成り立ちや文化
- 地域の食文化
- 地域の仕事(電気工事、土木、左官、等)
- 民主主義の思想
- パーマカルチャー
- 国際情勢
- 最新のテクノロジー
3.子供の体験・探求学習機能
4. 子どもが学校の外で大人と共に体験をしながら生活に必要な知恵や経験値を積んでいく場。
<内容例>
- 馬体験
- 仕事体験
- 食育
- 環境教育
- サバイバルの知恵(野草の知識、水のろ過など)
5.子供の居場所機能
6.子供を気軽に連れていける場所。地域で子供を見守る、育てる場所。親が子供から目を離してリラックスしたりできる場所。
出典:https://nomavalley.jp/
またウクライナ支援の取り組むことも表明しています。東日本大震災での原発事故後、福島県の人々がチェルノブイリの視察に訪れています。個人ベースでの強い繋がりを生かしてウクライナ支援に取り組んでいきます。
まとめ
今回の記事では地域に根ざしたコミュニティ形成を図っていくNOMA VALLEYについてまとめました。ベースとなる地域がリアルに存在し、目的が明確なため人を惹きつける要素が備わっているプロジェクトだと感じます。
今後の動きについても適宜更新していきたいと思います。