数字で見るローカル×NFTプロジェクト
ローカル×NFTのプロジェクトは、その多くが地方創生文脈で定性的に語られることが多く、定量的な分析がなされる機会が少ないように感じます。
地方創生を目的とするNFTプロジェクトにおいてはNFT自体の売上ではなく全体的なマーケティング効果を狙ったものが多いと思います。
地域経済への波及効果を正確に測定するのは難しいですが個別のNFTプロジェクトとして評価するには取引量やホルダー数など定量的な数字を見ていくことも重要だと感じています。
本記事では既存の代表的なプロジェクトを対象にデータの見える化を行います。対象とするプロジェクト及び項目は定期的にリライトを行い、更新していきます。
1.総取引量
- 1ETH=2万円として計算
- ふるさとCNPは1件あたり222個×3万円で計算(現状9案件)
- 食×NFTはmetagri研究所の5案件+牡蠣NFTの取引量を合計
上の図は山古志NFT、ふるさとCNP、食×NFTの取引高を棒グラフにしたものです。地方×NFTの代表的なプロジェクトである山古志NFTでもNFTの取引高は約1,700万円にすぎません。(比較対象としてCNPの取引高は、約15.5億円です。)
ふるさとCNPは、現時点では6,000万円の取引高ですが各プロジェクトは毎回完売しており更に増えることが見込まれます。ふるさと納税のマーケット(約8,300億円)を鑑みても成長性は高いと思われます。
食×NFTの分野は、1件あたりのNFT発行点数が少ないため総取引高も低くなっています。
総じて現段階のNFT単体の取引高(売上高)は厳しい結果となっています。
2.プロジェクト毎NFT保有者数
- ふるさとCNPは所有者の重複がないものとしてカウント(1件あたり222枚)
所有者数は、CNPと比較して取引高ほどの違いはありません。(即ち単価と流通回数に違いがある)
(山古志NFT:1,048、ふるさとCNP:1,998、食×NFT:311、CNP:5,356)
3.Discord参加者数
- Metagri研究所は、農業×ブロックチェーンを推進するDAO
- Savnanna Kidsは、ウガンダの街づくりを支援するDAO
- Meta秋田は、「秋田犬」を用いた経済圏を作っていくDAO
Discord運営を行なっているPJをピックアップし、参加者数を抽出しました。
山古志DAOで約2,300人、他3事例は500〜1,000人程度の人が参加しています。Ninja DAOの参加者数は約67,000人います。日本最大のDAOと比較すると1/100程度の規模感です。
4.まとめ
定量的な数字を見てみるとローカル×Web3、地方創生×NFTのプロジェクトはまだまだ規模が小さいことが分かります。
どのプロジェクトもデジタルでは完結せずリアルとの繋がりをベースに進めているので一足飛びに規模が拡大しない側面もあります。
●●×NFTのプロジェクトは、NFT単体の売上を狙っているわけではなくマーケティング施策と捉えている場合も多いと思います。当該ケースではプロジェクト全体の数字をみないと成否は判断できません。
当記事は定期的にリライトを行い、プロジェクトを定量的に分析していきたいと思います。